飲んでものまれるな

 

 

 

恐ろしい。恐ろしいのだ。

酔っぱらった自分が

 

 

 

 

高校生の頃、一滴も飲んだ事のない「酒」に対して謎の自信を持っていた私、磯島。

おれは強い。アルコールパッチテストが絶対的な自信をくれた

 

 

「飲んでものまれるな」とはよく聞く言葉だが、お酒を飲むようになってからと言うもの、

「のまれまくり」である。酒のビックウェーブに。もはや攫われて向こう側の島まで流されちゃってる

 

ビールにハイボール、ああ最高だ気持ちいな、今日は仕事がんばったしもういっちょ。アッ先輩ッ!お疲れ様っス!!!いやいや飲めないっスよ!明日朝早いん、、、、確かに、、!5時に起きれば間に合いますね!!キモティいいいい今からこのハイボールを2秒で消します!タラララララ〜タラララらラーっららーんハイイイイ!!!!!!ごめんなさい!!2秒は盛りました!後2秒!!後2秒ください!!それで消します!!!タララララララーーーーーたららララ、、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バッ!!!!

 

 

!?!?!?!?!?

 

 

 

 

 

気づいたら朝。チュンチュン聞こえるのはスズメなんだろうか、ここは、、、自分のベッド、、、とても気持ちが悪い。

そしてすぐに悟る

 

 

 

 

 

「消えてやがる」

 

 

 

 

自分でもどんな呪文を使ったのか全く覚えがない。しかし、「ハイボール」を消すはずが「記憶」が消え、ベッドにテレポートし時まで飛ばしてる。

キッチンに行くとカピカピになった大盛りご飯に納豆のゴミ

誰かおれの家で飯食った、、?流石にギョッとしたが紛れもなく自分の仕業だと理解。

口が臭い。納豆だけ食べてそそくさ寝たらしい

 

 

 

こんな事がいっぺんにできる呪文、、

頭がギンギンし、吐き気までする。間違えなく

大呪文だ。マダンテかそれ以上の何か

 

 

 

 

 

 

思えば初めて、人生で初めて酔っぱらった日のことを覚えている

何年も前の話だが、あれは自分の誕生日だ。

先輩たちがお祝いで買ってきたジャックダニエルで昇天した。当然のように記憶は消えているが後日聞いた話だとトイレに籠もってずっと「グエエエ」と唸っていたらしい。野生のトドゼルガと思われただろう

 

それからもう一生気持ち悪くなるまで飲まないと決めた。はずなのだ

 

が、今でもすこぶる酒を飲むと、自分の中の黒魔導士が囁き出す「大丈夫大丈夫。いっぱい飲んでも大呪文キメて色々飛ばしてやっから。」

 

 

 

 

 

ある日の休憩中

会社の上司にスマホゲームを勧められた。

スマホゲームで代表的なのはガチャ引いてクエスト進めるタイプのパズドラ、モンスト系だ

そして勧められたゲームもそういう系だった。

私はそういったいわゆる「ガチャ系」にめっぽう興味がなく、接待的な意味で始めた。どうせすぐやめるだろう

 

 

ゲームの名前は“DOKKAN BATTLE” 改め

”SETTAI BATTLE“だ。

 

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ドラゴンボールのキャラクター達で手強い敵を倒していくゲーム。

ドッカンバトルという名の通り、敵を必殺技でなぎ倒すのはドッカーンって感じで、、バッコーンって、そう、、、なんか全体的にエエ感じなのだ。クオリティは非常に高い。あとブルマ可愛い。

 

 

バンダイナムコが開発した金食い虫だ

 

 

ガチャを引くためには「龍石」と呼ばれる鼻くそ色の石が必要で、至る所に課金要素が散りばめられている。

 

キャラを強くするために龍石

キャラ枠を広げるために龍石

ACT(なくなるとしばらくゲーム出来ない)を回復するためにも龍石

 

恐ろしいゲームだ。バンダイナムコのいやらしさが全開で出てきている

 

 

 

そうは言ってもドッカンバトルは無課金でも十分楽しめるゲームだ

 

面白い。いや、間違いなく面白いゲームだけど、さすがにワケわからん強キャラや、レアな悟空やベジータのために、別にお金はツッコまないでしょう。無課金で楽しませていただきますわ

 

別に課金をしなくても、ストーリーを進めていれば一定数のキャラは手に入るし、悟飯だって手に入る。このゲームは、それで充分楽しい。

 

冷静、遠い目をして大人なスタンスで取り組んでいたのだ。

 

 

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コイツはトランクス

ベジータの息子で未来から来た胸筋おばけ。見た目通り強キャラである

悟空があんだけ苦戦したフリーザを一撃で葬る実力者。最強に近い。この姿は人造人間編の時のものでセルを倒すためにかの有名な「精神と時の部屋」で修行した後の姿だ

 

 

ちなみにレア度は

N→R→SR→SSR→UR→LR

の順に強く、無課金でも全然URは手に入るし

根気があればLRだって手に入る

 

 

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まあ、いずれにしても普通にクエストを進める分には、こうゆうやつを使えばいい話なのだ。

 

変に金を使ってLRのイカつい悟空を追い求める必要はない。

 

 

 

ある日の飲み会の後いつものように大呪文を唱えた私はいつものように自分のベッドで目覚めた。流石に慣れないぜ、このタイムスリップは

と思いながらドッカンバトルを起動する

 

 

 

信じられない光景が広がっていた

 

え!?!?

 

 

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LR ベジット!?!?!?!!(ムッチャ強くてフェス限定キャラなかなか手に入らない

 

なんでこんなところにベジットがいるんだい?

 

 

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超サイヤ人3孫悟空!?!?!?(メッチャカッコいい。とにかくめちゃくちゃカッコいい)

 

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ええええええええええええええええあのUR マイちゃん(未来)もいるじゃん!?!?!?♡(可愛くて勇気があって多分性格も良いしいい匂いもするし多分夜も積極的)


恐ろしいなあなんでだろうなあ

 

 

酔っ払って鬼のように課金する自分の存在が確かにある。

 

 

また飲んで起きたらLR ゴジータとか超強いフリーザ様がいるんじゃないかと思うと怖いんです。

 

 

 

マイちゃんを手に入れてから会社の行くまでの通勤中と休憩中にやり込むようになりRANKはついに200を超えた。

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それから街でドラゴンボール系のものを見掛けると心踊るようになり、少年の心を取り戻したような気さえしていた。

 

俗にゆう「激ハマり」だ

 

 

 

 

 

ある休日たまには家で映画ではなく、映画館でみようと思い立ち近くのららぽーとTOKYO-BAY店へ赴いた。電車で片道15分程度で買い物やちょっとした暇つぶしなんかは大抵ココで済ます事ができる

映画は14:15スタートであと30分近く暇だった

土日なだけ混んでいるが、そこまでではない

 

一周ぐるっと服見て回ればちょうどいい時間で館内に入場できるだろうと思いお店へ向かった

 

 

その途中、ゲーセンコーナーに見覚えのあるシルエットが見えた

間違いない。ドラゴンボール

 

 

そこに鎮座していた筐体は

スーパードラゴンボールヒーローズというゲームで、簡単に言うとカードを使ってオリジナルデッキを組み戦うゲームだった。

100円ぶち込むと一枚カードが出てきて

そのカードをデッキに入れてバトルができる

 

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筐体の周りで小学校低学年くらいの子供たちが自分のデッキを見せ合っている。どうやら1番強えのはシークレットの「SSGS ゴジータ」というカードらしい。

ローマ字部分はうる覚え

 

そのカードを持っていると小学校では文字通り「神」に近い扱いを受けるようで、

祈るようにゲーム機を見つめる少年達の目からは、今日ゴジータを手に入れてスクールカーストをひっくり返し、一夜にしてスターダムにのし上がらんとする決意が見てとれた。

 

いつの時代の変わらないな。そう思った。

 

 

そんな彼らを横目に通りすぎ、春服を見に行く。突然、足が止まる。そして不思議な感覚が脳裏をかすめた。

 

 

 

 

ゴジータが欲しい」

 

 

 

気づいたら脚が動いていた。お店とは真逆の方向に体が進んでいく。

 

ゲーセンのドラゴンボールコーナーについた自分は、小学生の群に一人で並んでいた。一回プレイしたら後ろに並んでいる人に交代する仕組みみたいだ。その付近にいる大人はと言えば、例外なく子連れである

そんな中に、子供も連れず腕を組みただ筐体を睨みつけるスネ毛の濃い男性が一人。

 

 

無論恥ずかしさが全開であったが、ここでモジモジしていたら逆に恥ずかしい。存在しない甥っ子の為にゴジータを手に入れる。そう言うスタンスで行こう。あるいはもう完全に振り切って純粋にゲーセンに入り浸るオタクになりきろうか、迷った。

 

しかし前者であれば甥っ子がそばにいないのは不自然だ、、いや、、!!!

 

 

 

スネ毛の男性は急にスマホを取り出し

耳に当て「あ、もしもし? 今ドラゴンボールの機械の前にいるんだけど、そうそう、叔父ちゃんがゴジータ取ってきてあげようか?」割と周りに聞こえるように話した。

 

 

存在しない甥っ子にゴジータを手に入れる事を約束した叔父さんは筐体の前に着座する。

 

 

 

「ゲームをするなら おかね をいれてね」

 

フッ馬鹿め、目の前に座っているのは「お金」をひらがな表記しないと読めないような人間ではない。社会人だ

 

 

意気揚々と100円をぶち込み、いざプレイ

しかしカードを1枚も持っていないプレイヤーはまずデッキを組まなければならないようだ

 

何かよくわからない映像が流れ、タイミング良くボタンを押す。ガコンッともの音がしてカードを1枚手に入れた

 

 

 

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ババリ星人。 誰?

そもそもドラゴンボールのキャラなのかどうかもわからない。だが「全力ぶっ叩き」は多分強い。確信した。

 

そうこうしてるうちに後ろの子連れと交代になった。子供は嬉しそうに席に座り、お父さんも心なしかワクワクしてるように見える

 

 

デッキは7枚編成で少なくともあと6周これを繰り返すことになる。気の遠くなる話だ

 

 

 

 

 

気づけばババリ星人を片手に映画フロアに向かっていた

スネ毛の男性の夢は儚く散った

 

 

 

ゴジータを手に入れられなかった悲壮感から

映画の内容は全然入ってこなかった。

 

 

 

 

 

 

今調べたらもうゴジータ全然強くないらしい

強さのインフレの中で淘汰されてしまったようだ。今はシークレットのビルスとやらが人気でもちろん所有者は神の座を狙える

 

 

 

 

 

 

 

平日に行ったらららぽのゲーセン空いてるんだろうか。

 

 

存在しない甥っ子とビルスを手に入れる約束を交わした。

 

 

 

 

磯島