がスゴかった。
どれくらいすごいかと言うと
すううんんんごい♡ これくらい
大学3年生だった私は「留学に行きたい」
という衝動に駆られ、休学して一年間海外生活をすることを決意した。
授業にはまともに出席しないくせに急に留学に行きたいとぬかす若者、私磯島。いささか生意気だし、シンプルにチョップしたい
留学に行きたいと思った動機は全くもって覚えていないが、意識が高かったのかもしれない。とりあえず留学に行った。というステータスが手に入ればなんでもイイ。私のことは意識に手足が生えた化け物だと思って頂きたい
向かう先はニュージーランド。
自然がとっても豊かで、どっかの牧場で羊と戯れる生活をして、夕方にはビール片手に落ちゆく太陽を見ながら「おやすみ地球」と呟く。遠くからハイジ的な小さい少女が呼んでくる。「ヘイ磯島!夕飯の支度手伝ってよー!もう!ジイジも早く帰って来いって!あ!!またタバコ吸ってるの!?もー!プンプン!!」「わかったわかった、、今行くよ。、、、全くやかましい女だぜ」とこんな生活が待っているだろうと信じて疑わなかった
とりあえず全体的にエモな生活を想像しワクワクしていた。
浅はかにも程がある
というかジイジって誰?
留学するにあたって問題になるのがビザだが、一生に一度使えるという魔法みたいなワーキングホリデーのビザを取得することに決めた。
ビザの取得は割と大変でよくわからないメールや家族の証明など全て英語で入力しなければならない。申請から取得まで約一ヶ月ほどかかる。
一緒に留学することになった男の名はコバルト。通称コバ
大学でのあだ名で入学当時コバルトブルーの上着を着ていたことが由来らしい
キンタマを上下に動かす芸 通称「キンタマエレベーター」の伝承者
やはり1人ではないというだけで大変心強くなるし、1人より楽しいと思うんです
異国の地ならば尚更で、不安や心配は1/2になるのに楽しいことは2倍になる。いいことだらけじゃん自分今すごくイイ事言った
時は経ち、出発当日。向かう先はカナダ。
そういえばいつのまにかカナダになっていた。理由は全然覚えていない
適当にバンクーバー行きの航空券が他より2万くらい安かったからバンクーバーにする。
そんなクソみたいな理由でハイジとのイチャラブ生活は幕を閉じるのだ
空港に後輩や友人が見送りに来てくれて、インスタント味噌汁やサバ缶、TENGA egg×2をくれた。ありがとう
航空券は格安で4万くらい
中国で二回乗り継ぐという地獄の40時間フライトで笑っちゃうぐらい遠回りする。中国で一旦降りて、もう一回中国で降りる。機内には中国人と目的もなくカナダに向かう2人の大学生のみ。
なんやかんやでバンクーバーに到着した男2人
疲労はMAX。ピザを食う
日本を出発してから2日経ってた。
いざ家探し
内見の予約を取って見に行く、ダメそうならまた予約。内見、予約を繰り返し、
家が決まらなければその日はホステルで寝泊りすることになるのだ
最終的に家が決まったのは1週間後
家なき子が向かったのは"Cambie bar"
ダウンタウンの中心地に位置するが治安は悪め
一階がバーで、二階はホステル
行くまで知らなかったのだが昼間はカフェを営業し、夜になると一変、ズンズンと重低音が鳴り響くナイトクラブへと姿を変える。
クラブで酔い潰れたり、お持ち帰りしたかったらすぐ二階に上がってホテル直行も可能だぜ★というなんとも頭の悪い造りになっている
盛んな大学生が造ったんかとツッコミを入れたくなる
留学生に大変人気でバーのくせに入場に時間がかかるほど。
ビール1パイント500円程度と良心的。
そんな生活が続き3日目にして大きな問題が発覚する
共同生活をする上で毎日行動を共にしている私とコバ。一緒にバーに行って一緒に帰ってくる。明日も一緒の時間に起きて一緒に家を探す。見落としていた、、、気づけなかったのだ
『おれたちはいつオ○ニーをすればいいんだい?』
大問題。緊急事態である。そういえばそうじゃん。ここまで一緒にいたら“する”タイミングがない。AVを見ていたらバレてしまうし、女の子を連れ込もうとしたら、それはもうとんでもない展開になってしまう。同じタイミングでコバも連れ込んでたとしたら、もういっそ4人でUNOでも、、する、、?ってなってしまうだろう
これからのムスコとの関係性に困惑する私に対し、コバはあくまで冷静に「したければ、すればいい」とどこか“いぶし銀”な姿を見せた
「別にしたいワケじゃないんだけどね」と強がってみせたが見抜かれていただろう
コバと私の関係的に「ちょっくらシコってきますわ」くらいで解決する問題ではある
なんならオススメのAVを紹介してくれるくらいだ
しかし何故だかどちらが先に我慢できなくなるか、どっちが先にオナニーしてしまうかみたいな闘いが水面下で始まってしまったように感じた
出国前に後輩から2個づつTENGA eggを支給されている
もし、一回でも使用してしまった場合はTENGA eggが物理的に一個なくなってしまうので言い逃れはできまい。いや、いいんだよ?別にバレたって。しかし、仮に私が先攻でTENGA eggを使用したとしよう「スッキリしたぜ。お前もどうだ?」
「おれはいいや。」
そうコバは返してくるだろう。
コバはそういう人間なのだ。「マジ?ちょっとおれもシコってくるからまってて」みたいな性事情によって友情を確かなものにするとか、温泉で裸の関係になって初めて信頼関係を築くみたいな次元はコバにとってはおままごと同然で、チョット同居中にこちら側がオナニーしようと気にも留めないのである
何回頭でシュミレーションしても私のムラムラ度が圧倒的に勝ってしまう。それが納得いかなかった。
もはやTENGA eggではなく2個だけ支給されたライフポイントに思えてきた。まるでカイジの世界
それから数ヶ月、とっくにそんなこと忘れた時
偶然掃除の過程でコバのTENGA eggが引き出しから一つチラリと見えた。正直「まだ一個残してるのかい!早く使っちまえよいじっ張りだなあ」なんて思った。私はというと無論、、、、、、ゼロだ!フハハハ!.....!!
刹那、奥の方からコロコロと転がってくる物体。
え?
もう一個.....?
雷が脳天から突き抜けてケツから飛び出る衝撃だった
あろう事かコバというキンタマの男性はTENGA eggを一個も使用してなかったのだ。
性に対するディフェンス力が常人のそれではない。
ガ、、ガンジー、、?
おれはガンジーと旅に出てるのかい?
コイツ、、!?
まさか一回も使用しないで日本に持ち帰る気なのか...?
あーなるほどわかったぜ★
さては最後の最後まで取っておくつもりだなぁ?ショートケーキのイチゴみたいに!
様々な憶測が飛び交ったが、そっと2つのそれらをしまった。
とっくに敗北していたのだ。オナニーバトルロワイヤルに。そう、漢としての闘いに。
それから程なくして北米横断の旅に出掛けることになる。
一緒に行く男はもちろんコバルト。
略して「長澤まさみ」だ。
好きなプロポーズ大作戦のシーンは
「ケンゾーは何もわかってない、何もわかってない。」のシーン
バンクーバーから北米を一周してまたバンクーバーに戻ってくる旅。
レンタカーを一ヶ月借りるだけで12万くらいかかった
本当にいろんなところに行って書ききれないくらい思い出があるし優劣はつけられないが、その中でも横断22日目だったけか?多分23日目に着いた“ラスベガス”は印象に残っている
ラスベガス。言わずと知れた娯楽の街。日本の都市や街で例えることが出来ない独特な雰囲気を放ち、近づく者を虜にする
そこには人間の欲望を満たす全てがあり、2人の男はラスベガスという存在にただ圧倒されていた
夥しい数のネオンやサイネージが欲望を加速させ、男達に問いかけてくる。「何が欲しいんだい?」
ギャンブル、エロス、酒など数ある欲望の中からとりあえずエロスを選択。
そこでアメリカンダイニングであるHOOTERSを発見。お馴染みのフクロウのロゴが妖しさに拍車をかける
お腹も空いていたので一石二鳥
HOOTERSは日本にもあり、セクシーな女の子が接客してくれるダイニング&スポーツバーのようなお店だ。行ったことはないのだが経験のある友人に聞くと、別にショーパンとかピチピチのTシャツとかちょっとセクシーなだけで期待しているようなムフフな展開はないとのこと
、、、なるほど。
だがしかしここはアメリカ、自由の国、のラスベガス。もはや法律は皆無に等しい
日本とは規制のワケが違う。ラスベガスのフーターズは確実にエロスの桁が違うし、チップ制度もある。きっととんでもないエロスが、何かムフフな展開が待ち受けているに違いないと確信し、いざ入店
「俺がエロスを取り締まってやる」と2人の男は阿吽の呼吸でセクシーパトロールを開始。
やはりな。とんでもないスタイルの女性がハンバーガーを運んでいる。これは犯罪の匂いがするぜ
ソワソワしながらとりあえずビールとハンバーガーを注文。
ハンバーガーとは名ばかりのとんでもないエロスを注文した2人はどんなエロスハンバーガーが来るのか心待ちにしていた
もしかしたら「お待たせしましたこちらがハンバーガーです」と運び込まれたハンバーガーが実はオッパイで、どこをハンバーグして欲しいの?なんて追加注文を迫れらるんじゃないのか、またもや、あなたが注文したハンバーガーはこっちのハンバーガー?それともコッチのハンバーガー?♡なんて選ぶことのできないミステリアスハンバーガーが運ばれて来て、僕のハンバーガーがマックシェイクになってしまうのではないか?そんな疑惑が2人を襲った
そうハンバーガーなのだ。
いや、美味い。美味いけどもエロはどこですか?いくらなんですか?
ムフフな展開があるかと言うと、まったくもってない。ここはチェーン店だしそんな大胆なことはないということか。
とりあえずテーブルを担当してくれた女の子が巨乳だったのでテキトーに逮捕する
逮捕されたポーズをお願いしたのだが何故か自分まで同じポーズをしてしまった。
しかし俺らは身を挺してラスベガスの穢れを一つ浄化出来たと、そう感じた。
敗北を知った長澤まさみと磯島
パトロールに熱が帯びる
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